LPSは、株式会社等よりも設立手続きがシンプルなことから、短期間で組合を成立させることができます。
具体的な手続きは、組合契約書の作成⇒出資の払い込み⇒登記申請という3つの流れになります。
組合契約書の作成は、弁護士に依頼することが多いようですが、ファンドについての見識や実務経験がない弁護士が多いようで、作成してくれる弁護士を探すのが意外と面倒のようです。
経済産業省が「投資事業有限責任組合モデル契約」(平成22年11月版)、「投資事業有限責任組合契約(例)及びその解説」(平成30年3月版)を作成してくれているのですが、会計税務のところがよくわからないという弁護士は多いように思います。
実務上は、当該契約書を基に作成されていることがほとんどかと思います。
契約書には、以下の事項を必ず記載する必要があります。
1,組合の事業
2,組合の名称
3,組合の事務所の所在地
4,組合員の指名又は名称及び住所並びに無限責任組合員と有限責任組合との別
5,出資一口の金額
6,組合契約の効力が発生する年月日
7,組合の存続期間
LPSでは無限責任組合員(GP)と有限責任組合員(LP)の両方が存在しなければならず、一方が欠けると当然に組合は解散されることになります。
LPには資格の制限がないので、法人でも個人でも、他の組合でもなれたりします。
GPは組合はできません。
出資は一口以上しなければならず、労務や信用の出資は認められていません。
出資は、出資約束金額を一括で出資する場合や、都度の出資の場合もあり、契約によって決められています。
投資先を模索しながら投資するような場合には、都度の出資をする場合が多いかと思います。
組合契約の効力発生日から2週間以内に登記が必要になります。(登録免許税は3万円です。怠ると100万円以下の過料となります。)
組合の存続期間は、株式会社等のように無限に続くという前提だと、不当に組合員を拘束して不利益を被るおそれがあるとの理由で、記載しないといけないので、想定よりも少し長くとるか、期間を○○年延長することができるといった記載が多いように思います。
経済産業省の見解では、有期契約と解されているようです。
GPへの報酬、組合員への分配方法、解散事由などは任意の記載事項とはなりますが、記載をしておく必要があると考えられます。
(参考)LPS制度の図(経済産業省のHPより)