匿名組合(GK-TKスキーム)の源泉徴収


匿名組合からの分配として、損益分配(利益or損失の分配)と現金分配の2種類の分配があり、現金分配には、利益にかかる分配出資の戻しという2種類の分配があります。

営業者は、現金分配をした際に、利益にかかる分配について、20.42%の源泉徴収をすることになります。

利益の分配をした際には、源泉徴収はなされず、利益にかかる現金を分配した際に源泉徴収がなされます。

具体的な、会計処理については、「匿名組合に出資した者の会計処理と税務処理」というページに記載しておりますので、ご参照ください。

現金分配をする際に、出資の戻しとすれば、源泉徴収はしなくてよいという理屈にはなり得ますが、未払分配金が残った状態で、現金分配をする場合には、利益にかかる部分は源泉徴収した方が無難とは思われます。

お金に色をつけるのは困難ですからね。。。

利益分配の額を超える現金分配をする場合、利益分配の額(未払分配金の額)を超えた部分は、出資の戻しとして、源泉徴収は不要として差し支えないと考えられます。

 

匿名組合の源泉税については、組合員が非居住者等であっても、20.42%かと思われます。

(すべての国の租税条約を調べたわけではないのですが、免除や軽減税率を適用される国はなかったはずです。)

匿名組合に限っては、源泉税の軽減や免除はできないものと考えた方がよいかと思われます。

また、源泉税の納期の特例(所得税法216条)は適用できませんので、支払った月の翌月10日までに納付しなければなりません。

ちなみに、匿名組合において、利益にかかる現金分配は、配当とは異なり、配当は、支払確定日から1年支払いをしないでいると源泉徴収漏れとなってしまいますが(所得税法183条)、匿名組合の利益にかかる現金分配は、1年以上未払のままでも源泉徴収漏れとはならないと考えられています。