· 

太陽光発電設備の廃棄費用は積み立て不足?


太陽光発電のパネルの廃棄費用の積立制度が2022年に始まりましたが、傾斜地に設置されている場合などでは費用が割高になるので、廃棄費用の積み立てでは足りなくなるおそれがあるという記事がでていました。

記事では、廃棄費用が当初の想定より3割程度上振れする可能性が高く、放置や不法投棄につながる可能性もあり、適正処理へ向けた仕組み作りが不可欠と書かれていました。

FIT制度が20年の限定期間ということがありますが、私の周りでは、20年経過しても設備は廃棄せずにこのまま続けるということが多いのかなという印象です。(それか経過前に売却するか)

パワコンやパネルの交換は、必要になるかと思いますが、設備自体の廃棄は、まだ先になりそうです。

廃棄費用については、当初の見積もりよりも高くなる可能性はあるかとは思います。

 

会計では、資産除去債務という会計処理があり、廃棄費用を合理的に見積もって負債に計上するのですが、発電事業をSPCでやっている場合も多くあり、SPCが上場企業の子会社等でない場合は、資産除去債務を計上していないことも多いかと思います。

SPCでは、GK-TKスキームでやることが多いものと思われ、税会不一致を避けるために、資産除去債務を計上したくないという場合もあるかと思います。

GK-TKスキームにおいて、税会不一致がある場合の会計処理については、「匿名組合において、会計と税務の処理に相違がある場合の取り扱い(GK-TKスキームの場合)」に記載しておりますので、ご参考ください。)

 

こういう記事を見てしまうと、資産除去債務の見積りの見直しが必要なんじゃないかなとか思ったりするのですが、合理的な見積りはとれるんでしょうかね。

当初は、20年後のことなんて誰にもわからんよということで、現状での数値としていたことがあるかと思いますが、積み立て不足の懸念があるなら、もう一度、廃棄費用の見積りをとってみてもいいんじゃないかなと思ったりします。(特に、GK-TKスキームにおいては、廃棄費用は、匿名組合の出資金にて賄う必要がある可能性があると思われるため)