会社を休眠するのに税理士への報酬がかかるという相談を受けたので、休眠会社にするための税務手続きを記載いたします。
基本的に、費用は発生しません。
税理士に依頼して届出を作成・提出してもらう、決算、申告をしてから休眠するということであれば、税理士への報酬は発生しますが。
顧問料を払っているところであれば、追加で料金が発生することはないかとは思います。
会社を休眠させるには、以下の届出を各機関に提出する必要があります。
税務署 異動届出書、給与支払事務所の開設・移転・廃止届出書
都道府県税事務所 異動届出書
市区町村役場 異動届出書
上記の書類に「休業する」と記載して、届出をすれば、休眠会社となります。
休眠会社にする上での注意点があります。
1,税務申告
会社は存続しているため、税務申告義務があり、2期連続で申告しない場合には、青色申告取り消し処分を受ける可能性があります。
基本的には、別表一(青色のページ)だけを提出しておけばよいので、再開する可能性がある場合には、忘れずに税務署に提出しましょう。
都道府県と市町村への申告は不要になります。
これを無料でやってくれる税理士はあまりいないかと思いますので、休眠だと顧問契約解除となるかと思います。
2,均等割
都道府県と市町村に、法人であれば等しく払う義務のある税金ですが、支払い義務が免除されるかどうか議論があったりします。
実は、自治体によって対応が違ったりするのですが、原則として、支払義務があるが、取引等が認められず(預金の動きがない、会計帳簿に動きがない等)会社が活動をしていないと認められれば、免除してくれるということが多いように思います。(各自治体に実際に問い合わせてみた経験からですが)
休眠の届出は、事前に管轄の自治体に確認してから提出することをおすすめしてます。
3,みなし解散による廃業
12年以上登記がされていない株式会社,5年以上登記がされていない一般社団法人は強制的に廃業となる可能性があります。
そこまでいっていたら、再活動することもないように思いますが。
4,役員変更登記
株式会社だと、役員の任期満了に伴う役員変更登記の手続きが必要となります。
任期が2年のような短い期間の場合、注意してください。
休眠後、会社を再開させるには、異動届出書に、「会社を再開する」と記載して、税務署、都道府県、市町村に提出することになります。